2011/06/24

日本の財政破綻を妄想するマスゴミ?


アメリカが、バブルを手段にした身の丈以上の消費を奨励することで、わざと貿易収支の赤字を拡大して、世界中にドルをばらまき、過剰消費の見せかけの繁栄に沸くアメリカに投資という形でのドルの還流を呼び込むという、基軸通貨国にしかできない詐欺みたいな経済政策(発案者の名をとってルービノミックスと名付けられている)に、日本がまんまとはめられていたわけだ。例えるなら、アメリカは結婚詐欺師で、日本は被害者みたいな関係だ。実際は貧乏人であるにもかかわらず多額の借金でIT長者か金満金融家を装った結婚詐欺師に見事に騙されて、せっせっと貢いでいたのが、哀れな被害者である日本というわけである。もっと具体的に言ってしまえば、ドルという紙切れと引き換えにアメリカ人の贅沢に貢献する貢ぎ物をせっせっとしていたのが、日本とアメリカの貿易関係だ(中国も似てはいるが彼等はそれを逆手に取っていて流石である)。だから「円高はけしからんから、何とかしろ」と怒ってみたところで、結婚詐欺で騙された金を返せと、言っているのとたいして変わらない。失った金は返ってこないっちゅうワケだ。

んで、その円の発行国である日本の台所事情だが震災前、日本は国内の供給能力(潜在GDP)と需要(現実のGDP)との乖離の拡大、すなわちデフレギャップの巨大化に悩まされていた。国内の需要に対し、供給能力が強すぎ、物価が下落し(いわゆるデフレである)、有り余る供給が海外の需要に振り向けられ、経常収支の黒字が延々と続いていたわけだ。経常収支の黒字とは、対外純資産の増加である。日銀の資金循環統計(速報値)によると、2010年末時点で日本の対外資産は574.8兆円で、それに対し対外負債は330.5兆円あり、差引差額の対外純資産が244.3兆円となっているのだ。これはもちろん、ダントツの「世界一」なのである。すなわち、日本は現時点において間違いなく「世界最大のお金持ち国家」というわけである・・・ヨシヨシ。

経常収支の黒字とは?具体的に云うと国内の「過剰貯蓄」をも意味しているのである。国内の貯蓄に対し、投資額が少なすぎるため、銀行などの金融機関が「運用先のないお金(過剰貯蓄)」で溢れている。結果的に、日本国債の金利はこれまた「世界最低」を続けており、大震災に見舞われようとも国債金利上昇は全く発生しなかった。過剰貯蓄ゆえに政府の資金調達に難儀が生じることは考えられず、供給能力が有り余っているがゆえに物価の上昇も見込めず、実質金利(名目金利-期待インフレ率)がインフレの国々と比べて高くなり、通貨高が続いているわけである。で、外国の投資家は、大震災に直面したとしても、日本の供給能力が国内需要を満たせなくなるなどとは微塵も考えず、震災後にむしろ「円を買う」という投資行動を採り、日本円の為替レートは戦後最高値を更新した。

それ故、株式についても外国人投資家は、震災後でさえ「日本買い」を進めていった。東京証券取引所が5月26日に発表した投資家別売買動向によると、外国人投資家は昨年の11月、すなわちアメリカの量的緩和策発表以降、何と29週も連続で日本株の買い越しを続けていたのだ。震災後の日本の株価暴落は、外国人の「日本売り」ではなく、国内投資家の投げ売りに起因していることが分かる。日本の「破綻」を待ち望んでいるかに見える国内マスコミと比較し、外国人投資家は恐ろしく冷徹な視線で、我が国の経済を観察している。改めて「数値データ」を基に考えてみれば、世界最大の対外純資産国(世界一のお金持ち国家)が供給過剰状態(デフレ)に陥っている以上、大震災に見舞われてさえ、日本国家がその痛手を回復するに充分なリソースを持ち合わせていることは、誰にでも理解できる。

日本は「国債金利が世界最低」「供給能力が過剰」という強みを生かし、「普通の政策」を実施するだけで、現在の苦境を乗り越えられるばかりか、新たな成長のステージに進むことができるだろう。すなわち、政府が国債発行で国内の過剰貯蓄を「超低金利」で借り入れ、有り余る供給能力を復興に投じれば済む話なのである。我が国の現状を、外国人投資家の方が冷静に見つめ、「日本買い」を続けていた事実は、なかなか感慨深いものがある。「日本経済は破綻する」「円が大暴落する」「国債金利が急騰し、政府が財政破綻する」などの妄想を本気で信じ込んでいるのは、結局は日本のマスゴミだけというオチである。

さらに言えば、妄想ではなく「ポジショントーク」として、日本国内で「破綻!」と叫んでいる連中がいることこそが、日本の唯一の問題かもしれない。最近流行の名言?「一番やっかいなのは有能な敵じゃない、無能な味方」は、なかなか的を得た言葉なのである。特に、日本国民に海外投資を煽り、手数料収入を得ることを「ビジネス」としている人々については、注意が必要だ。何しろ、彼らにとって最もありがたいのは、日本国民に巨額の金融資産を国内ではなく、海外に振り向けてもらうことだ。そのためには、「震災で日本経済は破綻します。政府も財政破綻します。円もまもなく暴落します。国債や日本株式などに投資せず、外国に投資をしましょう」というセールストークこそが、彼らの自らの収入を増やすために最も有効なのだ。ついでに、日本の公的債務残高約1000兆円。個人金融資産約1400兆円。金融機関の資産2700兆円。政府の資産約470兆円。対外純資産270兆円。日本全保有純資産-公的債務残高=約4700兆円。チャンチャン!長々と最後までありがとうございました。