2010/09/15

またまたほえるG、その後自己嫌悪

表面的にはわからない?報道しない?日本以外の国(主体は中国、アメリカ)たちの協調的な円の買い入。それによる最近の異常な超円高。資源も何もない日本が、外貨を稼ぐことのできた先端企業が異常な円高によって失われ、貿易や経常収支が赤字になったら、いったい日本国民は何で稼ぎ生活するというのか。従来の稼げる企業が失われて久しい。経済の本質というものを日銀と財務省は、全く?それともわざと?理解していないと言うしかない。この問題でよくメディアなどで話題にのぼる円高メリット論は、自分みたいな隠居爺が云うのも何ですが、本当に日本経済を見て云っているのかをよく見極める必要がある。

われわれの住む日本は、世界的に見ても自給自足できる食料確保の農地も狭く資源も少ない。これで、国民をどうやって効率的に食べさせてゆくのか?つまるところ、適正な為替レートを維持し、先進的な技術と加工貿易等で食べてゆくしかないのです。終戦後、外貨不足に悩んだ日本は、海外に出る際、外貨の持ち出し制限をしてきました。経済大国?になった今日の日本では、考えられないこと。経済力のついた今は、旅行などで好きなだけドルを持ち出せるようになりました(但し、一定の金額以上は手続きが必要)。涙ぐましい努力によって、戦後、日本やドイツは経済活動で米国に追いつき米国製品を凌駕するまでになりました。しかしながらこの事によって、貿易や経常収支の大きな黒字による円高は、繊維製品の国際競争力を失い日本の繊維業界は、従来の繊維製品から離れ、生き残りのため中空糸膜やカーボンファイバーなどの先端的な製品づくりに乗り出してきました。

また、自動車や電気・機械などは、日本での生産を離れ販売地での生産に変わりました。ハイテク産業も、本社は日本にあっても製造は製造コストの最適地で生産するようになっています。自動車のトヨタや電気のソニーなどのグローバル企業(多国籍企業)の誕生です。中小の企業でも、同様になってきたのも事実で、その波に乗り遅れてしまうと、淘汰されてしまうと云う産業の空洞化現象が如実にそして、身近になってきてしまいました。アパレル業界のユニクロなどは、日本生まれでありながら、トヨタやソニー以上に多国籍企業化し、本社機能が日本(山口県)にあるだけ、といった状態になっている企業が多くなっています。高い製造技術やハイテク製品の製造をコスト安の国で行い、その製造さえ委託生産をするようになったため、生産技術や中小企業の部品生産も、その生産国へ移っているのが主流であり、ある意味日本の危機となっています。

一例を述べれば、ノートパソコンなどの生産の大部分は、中国や台湾の企業に委託生産しています。ソニーなどの日本企業は、委託生産でソニーのロゴマークだけ貼り付けた製品を自社のブランド品として世界に販売しているのが現状です。つまり、製造利益でなくブランド利益を得てるふだけなのです。しかしこのような方法は、委託先の生産会社が自社ブランド化し、自社製品として売り出し始めると、委託生産は行き詰まってしまいます。それどころか、製造技術や競争力までも失ってしまうのです。自己の企業のみの存続を考え行動する事が、この様な状態を作り出してしまっています。最終的には、技術力が失われ、出身国(誕生国)の国民経済が衰退してしまうのです。

どういう事かと云うと、世界中の企業から委託生産を請け負った生産企業は、技術力を磨き大量に部品を調達するため、調達部品を値切りやすくコストを安くすることが可能となります。したがって、製造力が非常に大きくなり、先進国の企業は太刀打ちできなくなるのです。実際、ノートパソコンのとある台湾の受託生産企業は、自社ブランド化に乗り出し、製造委託で培った技術力に大量の部品調達による製品の低価格の強みから、日本などの先進国の企業は、すでに太刀打ちできなくなってきています。低賃金などのコスト安の生産国に加え、円高は日本から製造業や製造技術さえ奪われかねない状態をもたらしているのです。

近年、澳門や日本の電気店等で見られる、よく名前の知られてない超低価格のノートパソコンなどは、この台湾などの委託製造会社が生産した自社ブランドの製品なのです。実際問題として、日本の企業は価格だけでなく、製造技術でも敵わなくなって来ているのが現状です。それに加え、日本は円高になるような政策を米国、中国等の狡猾な外圧により、円高が起きていても肝心の日銀、財務省はまったく動かず、やっと動いたのも時すでに遅し。円高は、長い目で見てもマイナス要因が、プラス要因を大きく上回っているのにも拘わらず、相変わらずメディア等は「円高メリット論」などと無知な事を云っているのが現状。このまま超円高を放置すると、更に、先端企業の国際競争力が失われ、貿易赤字が慢性的に続くようになって、グローバル企業となった日本企業が、海外で稼ぐ利益や投資収益による経常収支の黒字で、国民は生活するするしかなくなります(実際、この状態に近くなっている)。

更に、この状態が続くと、海外での生産活動によって、生産国(他国)の技術力が高まる結果、その国の企業の技術力が上回るようになって、日本企業は海外で稼ぐことが出来なくなり、最終的に投資収益も受け取ることが出来なくなって、経常収支さえ将来(数十年後)慢性的な赤字国に転落するでしょう。現在の米国が、この様な道を辿り、産業力が崩壊してしまいました。現在の日本も同じような道を辿っています。最終的にバブル崩壊前の英国や米国のように「金融立国」として行くしかなくなります。日本の「円」が、世界の基軸通貨になっているか、今からなるなら、今回の金融危機前までの米国のように基軸通貨国の特権を受け、暫くの間経常収支の赤字国となっても、国の経済をなんとか維持できるでしょうが、日本はそのようになる可能性は全くありません。

今回の“世界的な金融危機“で、英米の金融モデルも崩壊しました。米国の基軸通貨国の特権を利用し、「国の経済を維持する政策」も、難しい状況になってきています。資源などのない日本は、適正な“為替レート“と”技術力“を維持し、加工&高度な技術力貿易で生きるしか、日本の目指す先は無いのです。そのことをはっきり理解する必要があるのではないのでしょうか。まあ、そんな事よりも言いたいことを声高に主張できる至極まっとうな国になる事が先決ではありますが。それにはまず、対等な軍事力を持つ事が肝要かと考えます。平和平和と理想論で武装する政党や会などは、実際は他国のある機関から踊らされている?と考えられても不思議ではないくらいの行動を取っています。今一度、世界を良く見てみましょう。理想論だけで動いている国などありません。現に常任理事国はすべて核保有国と云う事を絶対に忘れてはなりません。それに、世界の常識がまったく通用しない国益を守るため?ならまだしも、単に体制維持のための自分勝手な大国があるのも事実なのです。