
アサヒビールはこの合弁会社の株式の一部を頂新に売却し、同じ金額で頂新の株式を購入します。アサヒビールは新たに資金を投入するわけではありませんが、持ち株会社の株式を一部(増資後発行済株式総額の6.54%)所有することで、両社の関係は強化されることになります。

また、頂新はサンヨー食品と合弁で香港上場会社「カンシーフ」を設立しています。このカンシーフは中国国内において、即席麺、茶飲料、ミネラルウォーターでトップシェアを誇り、クラッカー、果汁飲料でも2位のシェアを占める超優良企業です。カンシーフの持つ中国での食品事業運営のノウハウは大変貴重です。

しかし最近では、内需系の産業までが積極的に中国進出を進めています。TOTO、住生活グループといった住宅設備、資生堂、花王、ユニチャームなどの化粧品・ヘルスケア、伊勢丹、セブン&アイHD、イオングループといった小売業、ヤクルトなどの食品メーカーなど、代表的な内需産業までが、中国進出を加速させています。

少子高齢化で需要自体が大きく拡大する望みが薄い、法人税率が高いことなどが、その主な理由と言えるでしょう。しかし、最大の理由は、円が高すぎるからです。為替水準の評価方法の一つとして、購買力平価といった評価方法があります。つまり、日本の平均的な消費者が日本で支出する金額(円)と、もし、アメリカで同じ質の生活を送ったとすれば必要となるだろう商品を消費した際の支出金額(ドル)を比べることで計算されるレートです。

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みなさんは、すでにおわかりだと思いますが、日本で生産するよりも、海外の供給可能国から輸入するか、もしくは海外で生産して輸入した方が、当然のように有利であると判断されるような水準なのです。日本政府は、為替水準に対してこれまで非常に鈍感でありました。それは、為替、政治、経済に対しても全く同じです。
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漁船の船長を逮捕するならば、よほどしっかりとした戦略がなければなりません。釈放するときも同じです。政府関係者は、中国がこれほど激しい反応を示すとは予想せず、また、釈放すれば相手の怒りは収まると勝手に思い込んでいたようですが、あまりにも中国を知らなさすぎます。中国というよりも、世界を知らなさすぎると言うべきかもしれません。結局、こうした日本政治の弱さが日本経済を長期にわたって低迷させている最大の要因だと思います。
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日本と最も対象的な国は中国です。世界の主要国の中で国家主権の最も強い国の経済運営がこの20年間で最もうまくいっているのです。国家の発展は自由放任の中から自然に生まれるのではなく、しっかりとした国家発展戦略と利害関係の激しく対立する国家間の調整をしっかりと行うことのできる外交力があってはじめて勝ち取ることができるのです。優良企業の経営者にしても、そのほとんどが、日本が大好きであり、心情的には出来る限り日本で設備投資をして、雇用を増やしていきたいと考えているはずです。一方、中国でのビジネスは熾烈を極めています。法律が完全に機能しているとは言い切れないところがあります。時には資本の論理すら通じないことがあります。政府すら盲目的に信じることなどできません。日本の常識などほとんど役に立たないばかりか、むしろそれを信じることは非常に危険であるとさえ言えるでしょう。
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予想もつかないようなことや、理不尽なことが頻繁に起こり、そうしたことが発生しないよういつも注意していなければなりません。問題が起きた時にはできるだけ迅速に対処しなければなりません。ほんの些細のことすら気を許すことのできない厳しい企業経営を余儀なくされるのです。それでも彼らは中国を目指すのです。なぜでしょうか?企業にとって「利益の最大化」が使命だからです。日本の優良企業が中国に投資するのです。個人投資家は、もし利益の最大化を目指すなら、日本株に長期投資すべきでしょうか?それとも…?共産主義の理念の崩壊が叫ばれて久しいが、権力集中を支持する人たちは常に民主主義を排除し、自らの権力構造を守る発想しか生んでこなかったことがこれではっきりした。さぞやマルクスさんも驚いていることでしょう。労働者を搾取から解放するための論理が、世界中から富や領土を搾取するための看板に使われているなんて。